「運命の人はどこですか?」
飛鳥井千砂 他
6人の女性作家が描く
「運命の出会い」のアンソロジー

1話目
「神様たちのいるところ」
飛鳥井千砂
別れた元カレとの約束の場所へ向かう主人公
ふたりは再会できるのか…?
このまま元カレと再会してハッピーみたいな話かなぁと思ったらもちろんそうではなく。
ちょっとしたミスリードがあり、最後に明かされます
時間は人生に、人に、平等に流れるよねという話。
元カレとではないが、主人公は旅先でとある女性と出会います
主人公も、彼女も、神様だってカッコ悪い恋をしながら懸命に生きている。
2話目
「かなしい食べもの」
彩瀬まる
「ときどき枝豆のチーズパンを作ってほしい」
彼女がどうして恋人に手作りパンをねだるのか、高嶋がその真相に気づいたとき…
このお話がいちばん好きでした

簡単に言うと、枝豆チーズパンは灯の初恋の人が作ってくれていた思い出のパンなのです
しかも、ただの初恋の彼というだけでなく、
複雑な家庭で育った灯の逃げ場所となった男性でした
これはキツい…!
恋人として超えられないモノを感じるし、
灯の過去、恋愛よりさらに重いモノを背負うのもしんどい

「枝豆チーズパン」という、ちょっと気抜けするアイテムを通して
高嶋が灯の過去を思いやる心、灯が自分のトラウマと向き合う心
お互いの優しくて強い心のやりとりが描かれています
3話目
「運命の湯」
瀬尾まいこ
ジュリエットは、名前のインパクトとは正反対に
銭湯好きの素朴な女子大生だ。
この名前のコンプレックスを払拭するためにも
運命の男…つまりロミオという名の男を探そうとひらめくジュリエットだが…
瀬尾まいこ先生の描く恋愛小説かと思いきや、
風呂屋の三男坊、呂三男(ロミオ)さんというじいさんとの運命の出会い
おじいさんと女子大生のほっこりさわやかな交流は
まさに私の大好きな瀬尾まいこ節!
後半に続く〜
