映画
「猫は逃げた」
漫画家の亜子と雑誌記者の広重は離婚寸前の夫婦。
ただ、飼い猫のカンタの親権だけが折り合いがつかない
そんな中、夫婦それぞれの不倫相手、真実子と松山も加わり
カンタを巡って騒動が…

夫婦✕恋愛✕猫✕エロ✕コメディ
奇跡のコラボレーションフィルムです笑
これ、以前紹介した映画「愛なのに」と同じく
R15指定がテーマのコラボ作品らしいんですが
R15指定となると当然
乳ほっぽりながらの大胆エロシーン
がちょいちょいある
けども個人的に
「愛なのに」より、こちらの「猫は逃げた」のほうが好みです
それはやっぱり
「夫婦」を描いているせいがあるように思う
例えば私が独身の頃に鑑賞したら、
「愛なのに」も「猫は逃げた」もそうかわらない感想だったと思う
この主人公夫妻は
ダブル不倫もしているし、醒めるを超えてギスギスするどころかもはやサバサバしてるんですが
そんな二人にも歴史はあって
恋人だったころの二人、
結婚を決めた頃の二人
たとえばそれさえも、実際はどうしても結婚したかった!
って感じですらなく
う〜ん…と思いながら、なんとなく流されて結婚した二人なんだけど笑
それでも毎日夫婦として生活していれば
毎日嫌でもいろいろな思い出が積み重なる
良くないモノが積み重なった結果、ふたりの愛は終わったが
もはや恋愛なんかメじゃないほど色々なモノを共有していて
たとえダブル不倫してグダグダだろうと、
そのふたりが共有してるモノを単純に超えられるものはなかなか現れない
夫婦にはそういう側面があると思う
好きとか愛してるなんてとっくに過ぎても
これまでの歴史が大きすぎる
そして、そんな膨大な思い出を共有できるのは一人しかいない

そして、夫婦の思い出にはいつも愛猫カンタがいる
ダブル不倫なんてしてるし、
可愛げない妻のことも、どっちつかずでいい方に流される夫のとこも
全然共感できないと思っていたんだが
途中で不覚にも涙ぐんだシーンがありました
自宅で、夫が妻のこむら返りを手際良くマッサージして治すシーン
お互い浮気相手とイチャイチャしていても、妻のこむら返りを直すのは夫がいちばん上手い
愛とか恋とか超越してふたりが共有する歴史の大きさ
それを手放すことのなんともいえない切なさが
伝わってきて。
そしてなんと
観てるうちに夫婦それぞれの不倫相手までもなんだか愛しく見えてきます
夫の不倫相手の真実子は、
さっさと離婚して自分と結婚してもらうためにとにかくガツガツしてるんですが
なんだか憎めないような魅力がありました
不敵な態度でありつつも、猫には真摯にお世話をしたり。
妻の不倫相手の松山はただ
ふつうに好青年です(不倫してるけど)
ハーブティーが趣味
どこかで観たことあるな?と思ったらこの俳優さん
「義母と娘のブルース」の、みゆきの彼氏役!
「おんな城主直虎」の、政次の甥役!
個人的に少年役のイメージつよつよなんですが
がっちり濡れ場やってて驚きました

ほんと、正しい人間だれもいなくて、だらしない弱い人たちばかりなんだけど
本人たちなりに真面目に恋をしてもいて
そしてみんな、猫にメロメロ。
カンタから見た人間たちはどう映っただろう
きっと滑稽に見えたことだろう
発情期もなく、むしろ年中発情していて、
そのくせ
結婚なんて無茶な約束するからさらにややこしくなる



そんなふうに呆れているのかもしれません
それでも懲りずに繰り返してしまう人たち。
結局なんだかんだ
人間は猫様に勝てないのです。
という話だと思いました