映画
「ribbon」


 

 美大生の浅川いつか(のん)

コロナウイルス蔓延による緊急事態宣言により卒展が中止になる


今まですべてを注いできたことが、すべて無駄になる

全部ゴミになるのか…?


なにもできず、もどかしい空白の毎日

いつかのまわりには無数のリボンが舞い…




のん(わたし的には能年玲奈でしかないので以降はそう呼ぶ)主演・監督・脚本作品



冒頭、体中にリボンを無数にまとった能年玲奈が苦しげに歩くシーンから始まり、

こんなカンジで終わりまで不思議な世界観をフンワリ味わう映画だったらキツいなーと思ったんだが

能年玲奈がリボンまみれなだけで一本の映画が作れそうなほどカワイイけども



この映画では

リボン=ネガティブな気持ち



コロナ禍で、今までやこれからの「当たり前」が一気に奪われて閉塞した気持ちを表現しています


ファンタジーでもなんでもない、現実のコロナ禍を描いたストーリー


不思議な世界観のフンワリ映画どころか

メッセージがガツンとつたわるストレートな映画だと思いました




あの頃の、外を歩くだけで不安なような後ろめたいような

明日のこともなにもわからない、とにかく全部行き詰まってることだけはわかる

あの気持ちが蘇りましたね



いつかは美大生なので

パンデミックにおいて、芸術は不要なモノと切り捨てられる哀しみが描かれます



物語中盤、

ある人物が禁止をやぶります


コロナのない日常生活ならばまったく問題のないことですが

コロナ禍においてはご法度な行為



それに対し、いつかは激昂します


物語中盤までの、いつかのユルいキャラからすると意外ですが

私はコロナ初期のマスク警察や自粛警察を思い出して

逆にリアルだと思いました



他県ナンバーの車や営業を辞めない店に嫌がらせをする

他人の感染予防対策に過剰に反応する



それは、他でもない自分が我慢を重ね

強いストレスを感じているからこその反応ですよね



他人の余裕が許せない

そうやって、お互いの余裕を奪ってすり減っていく

嫌な時期でしたよね〜ショボーン



そんな感じで

「コロナ禍で精神がやられて、コミュニケーションにひずみが生まれる」

ということも描かれる映画なんですが



ただ、いつかの母親はもともとちょっとオカシイ人だと思う

ガーンあれはコロナ禍関係ない



てか、私の母親にすごく似ていて震えた



「お世話焼き」「おせっかい」「娘のためにがんばりすぎる」

のひとことで片付けられてしまうんだが違う



娘が自分の価値観に沿うようにいろんなやり方でコントロールしてくるような

いろんなやり方で「あなたは大した事ない」と伝えてくるような



ちょっと責めれば

また多彩なバリエーションで被害者ぶるしガーンガーン



わ〜背筋凍ったわぁガーン

ここでホラー要素に出会うと思わなかった笑



妹ちゃんとのシーンは良かったラブラブラブラブ




もしまた世界が

また別の新種ウイルスでパンデミックになったとき



あのときと同じ混乱を避けることができるか?

と言われると、私は無理だと思う



自分が極限状態で、人それぞれの事情や価値観を思いやれる人は少ない




だけど、この映画を2024年末現在に観て

「あのときは大変だったな」「ちょっと狂ってたな」と思い返すことで



もしまた同じような状況になったときに

少し我に返って客観視するという思考の選択肢が増えるかもしれないと思った




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