タワマンに住む子持ち専業主婦の有紗
同じタワマンの違う棟に住むママ友
リーダー格のいぶママ、
真恋ママ、芽玖ママ
タワマン住みでは無いけど美人でカッコいい美雨ママ
みんな幸せそう
だけと、みんな秘密をもっている…

分厚い本だけど一気に読めた
おもしろーーい♪
有紗を怠惰な母親だなぁと呆れる反面
育児をしているときの果てしない繰り返し、終わりが見えない繰り返し
その強烈な倦怠感は身に覚えがある
海沿いのタワマン高層階に吹き付ける冷たく湿った強風みたいに
冷たくてジメッとザラッとした嫌な感覚がそこここにある
だけど、桐野夏生の小説にしては
そこまで気持ち悪くないっていうか笑
後付けをみましたら
「VERY」で連載されてた小説だそうで納得しました
これならギリ「VERY」に載せられますね![]()
ママ友関係や夫婦関係、経済的格差なんかの
あるあるといえる問題が描かれるんですけど
かわりやすいドロドロ感というよりは
なんだか意外と共感できてしまう不思議
ボスママ含め、ママ友たちは
べつにそこまで悪い人でもないんですよね
いろいろアレな美雨ママだけど、憎めない魅力的な女性だと思う
ただ
裕福さとか、お育ちの良さとか、それに伴う価値観の相違
そういう差はどうしてもあるし、嫌でも気づいてしまう
どんなに尊重しあったとしても
差はなくならないし気にもなってしまう
もはやこれは、自分の内面の問題といえるかも
人と自分の違うところ、足りないところばかりを気にするあまり
自分にはあたりまえにあるモノを見過ごす
たとえば、有紗には花奈という娘がいるのですが
花奈、おとなしくてめっちゃ育てやすそう…![]()
わけわからん幼児時代を育てていた私からしたら天使よ笑
でも、有紗にとってはあたりまえのことで、特別恵まれてるとは思っていなそう
そして、この物語のママ友らのほぼ共通認識として
「保育園育ちは論外」というのがあり
当たり前のように子供たちを保育園に入れていた私は震えました
そういう世界線もあるのか…あるよなそりゃ…![]()
震えるとともに、はじめから除外されている世界に自分がいることに安堵もする
もし私が、身の丈に合わない高級タワマンに暮らして
裕福なママ友付き合いをしていたら
やっぱり意識してしまうし
背伸びして苦しんだりすることだろう
なーんて
保育園だろうと幼稚園だろうと
ママ友できたことのない私がなにを言う(笑)
まあとにかく人は
自分に足りなくて人が持ってるものには目ざといし
いつもどこか、より良くなりたいとウズウズしている生き物なんだろうな
それ自体は悪くないけど
自分の問題からは結局逃げられない
最終的にはそこにひとつずつ立ち向かうしかないというお話
なんとこれ、続編もあるんですよ〜![]()