「生き直し」
岡部えつ
相原真帆は、小学六年から7年間住んでいた火海町にまつわる伝説を下敷きに
小説を書き、ちいさな話題となった。
周囲からの掌返しで村八分にされた村民が住処を追われ
逃げ込んだ狢穴から這い出ると
新たな新しい人生を生き直せるという伝説
真帆の忌まわしいイジメの記憶
狢穴をぬければ、本当に人は生き直すことができるのか?

結果:生き直せない。
ってことかなと…
火海町の狢穴の伝説も
差別や、嫉妬や逆恨み、迫害など忌まわしい歴史がベースにあり
真帆には
火海町に来る前も来たあとも、
いくつかの陰惨なイジメ事件に関わる記憶がある
やった人
やられた人
見てるだけの人
それは、微妙なパワーバランスで簡単に入れ替わり
どんどんエスカレートする
一過性の熱病のようにも思えるが
された側の後遺症は深く
何年も何年もその人の奥に根付いて蝕む
誰かを意図的に傷つけようとする人はこのことをちゃんと認識しているのだろうか?
いつか時が解決するなどは都合の良い考えだと思う
時が解決しないものもある
それどころか遺恨が深まるものさえある
しかし個人的に、小・中学生時代の真帆はそこまで悪くないというか
多少尊大だったかもしれないけどどうしようもない部分もあったように思うので
結末はかなり意外だった
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