「坂道の向こうにある海」
椰月美智子
卓也と付き合っていた朝子と
梓と付き合っていた正人は、
浮気をして恋人同士になった。
その後、卓也と梓も付き合うようになり…

ようは、
スワッピングカップル物語
なんだけど〜![]()
同じ著者のこの本
を読んだ時にも感じたんですが
やってることは節操なさすぎたり
一時の感情のまま軽はずみすぎるんですが
文章のせいなのか、
それぞれのキャラクターのせいなのか
読んでるうちにうっかり切なくなってくる
「こいつら、ただれた男女だな」とか思うんだが
なんだかこんな気持ちを自分も知ってるような気がしてくる不思議
過去の恋愛を思い返しては後ろめたく感じたり、現在の恋愛にギクシャクしてるのは
どちらかというと裏切り者カップルの方というのが印象的
どうせ裏切ったんだから、ヌケヌケと恋愛楽しんだらいいのにね
たいていの人は恋愛だけして生きてるわけじゃない
そういう人もいるかもしれないが
仕事をしたり、家族との関係があったり
そんな側面から見ると、4人はとてもマトモだ
浮気カップルの朝子と正人さえも
まあ、友達とか同僚としてだけなら
とても常識的でいい人でも
恋愛や性欲方面にだけ飛び抜けてブッ壊れてる人ってたまにいるけどね
二組のスワッピングカップルのほかにも
彼氏にDVを受けているという女の子に惚れた男や
不倫恋愛のブサイクオヤジの子を身ごもった女も出てくる
はたから見れば、
どいつもこいつもわざわざ迷宮に迷い込むような恋愛ばっかりしている
だけど、俯瞰で見ることなんてとてもできない
それこそが恋の真ん中なのかもしれない