「浮遊霊ブラジル」
津村記久子


 

 ちょっと不思議で、ちょっと切なくて

ちょっと笑えて、ちょっと優しい短編集



一話目

「給水塔と亀」



定年を迎えた男性が主人公

独り身の主人公は、なんとなく故郷の田舎町に引っ越すことを思いつく


ささやかで静かな新しい生活のはじまり




これまでに何度も感想文を書いたりして

私、もう立派にファンと名乗ってもいいでしょうと勝手に自信を持ち始めてる

津村記久子作品



この短編集もとても好きになりました


なんていうか、超キュート



他の作品を読んで感じるのは

人見知りな登場人物たちの口に出さない優しさ、ハードボイルドなカッコよさ



この短編集は、カッコよさに加えてあちこちにユルさが散らばっていて

かわゆい



1話目は、定年を迎えて故郷に戻る男性の引っ越しと新生活を淡々と描く。



だけどもそこには郷愁や淋しさや、くたびれ感はなく

アクの強い管理人のオバサンにタジタジしたり

なぜか亀を飼うことになったり

サイドバイクを組み立てたり

ビールやうどんのことを考えたり


静かだけども新しくて爽やかで生き生きとしている



いくつになっても、どこへ行っても、そこに生活はある

それが、うんざりすることではなく

不思議と明るいことのように感じさせられるお話だった




 

 



 

 



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