「君は永遠にそいつらより若い」
津村記久子


 

 児童福祉関係の公務員に就職の決まった大学生ホリガイ


友人カップルの河北とアスミちゃん

毒舌友達のオカノ

真面目な友人吉崎くんとその彼女

死んじゃった穂峰くん

バイト先のお尻のでかい先輩・八木君、なにもかもでかい後輩・ヤスオカ

ひょんなことから知り合った女子・イノギさん


巡り合わせと人間関係の物語




まずはじめに


STEP.1「女の童貞」ホリガイに既視感


大学4年でも男性経験のないホリガイは、自身を

「処女」よりもさらに猛々しく「女の童貞」と呼ぶ


私はそこまで猛々しくはないものの、ハタチ過ぎまでバリバリ処女だったんでね

ホリガイの「若い女としてイケてない感」がものすごい身に覚えあるんですよ



飲み会では、同じくイケてない系の男子相手に下ネタ混じりで絡んだりとか(笑)

なのにイケてる男には萎縮しがちニヤニヤ



処女か非処女かにものすごい差があるように感じていたり

経験してみると、大したことないことだけどね…フッニヤリ



優しいタイプの男性にはすぐ特別な感情を抱きがちで

飲み会の席で冗談交じりにプロポーズしたりするわりに

連絡先を聞くような具体的な行動にはまったく手が出ない


「おもしろい女」区分で終わってしまう


こっちは勝手に運命を感じた相手がたくさんいるが

ひとつとして成就しない



うわーー!

身に覚えあるるる!!


STEP.2「マウント」という暴力



この本では日常にある「暴力」について描かれているんだけど

(それは帯にも書いてあったから確かだと思う(^_^;))



ほぼ無意識で相手が自分より上か下かを判断し

下だと思った相手には

積極的には表現しないまでも

「私はあんたより上だよね」という意識を隠そうともしない


まあ簡単にいうと「マウント」というやつ


若い頃はすごくよくあったよね…と、この本を読んで思い出したチーン



私にだってありました

私は下の部類だったので、マウント取られることのほうが圧倒的に多かったけども


だからこそ、マウント取れそうなときは必死で取ってきた

と思う



下卑た冗談や噂話に過剰に大笑いして

噂はどんどん取り込んで共有して、拡散されていく

そうすることで、自分もなにかの一部にちゃんと居るんだと安心しようとする


相手からの、

「どうせ、あんた(私)だからいいや」という無言の軽視はなるべく見ないように

巧妙に避けながら慎重に人付き合いをする



ホリガイも、「ホリガイが相手だからいいや」とでもいうような

無礼な相手の軽視をかわしながら人間関係を続けている




そういうのと、私はいつからかかなり無縁になりました

外の人間関係というものがほとんど無くなったからというのも大きいし



大人になって中年になるにつれ

人はあまりにもそれぞれで、比べても仕方なく

上か下かなんて考えても無意味だと気づいたんです


たとえば、私を見下す誰かがいたとしても、それはその人の考え

本当に私が誰かの「下」になるなんてことはないんです



文中に

「他人に触れ回るほどではないが自分なりに充足して、

だがその充足は孤独とも同居している」

という一節があるのですが


今の私はその境地にかなり近づけたようにおもいます



それだけでも大人になって、中年になって良かった

と思いました。




長くなったので一度終わります