「家と庭」
畑野智美
どこか普通ではないけど居心地が良く
だからこそ抜け出したくもなる中山家と
バイト仲間や幼なじみなど中山家周辺の物語

家族を中心に、その周辺の人物を交えて
なにげない生活や恋愛を描く小説は今でもいくつか読んだことがあり
たとえば
ミタカくんと私(銀色夏生)
や、
流しのしたの骨(江國香織)
なんか、若い頃お気に入りだったなぁ
家族って、よそからみたら不思議でヘンなところもいっぱいあるけど
家族にとってはそれが当たり前
その家族独特の感覚を共有しながら
家族内の問題や
きょうだい間での距離感
家族外の人との恋や友情や日常が穏やかに描かれるタイプの物語が好きです
変な言い方だけど、よそのお家を覗き見してるような愉しさね←
だから、この「家と庭」も、
もっと若い頃の自分なら楽しめたのかなぁ
主人公のバイト先のオーナーと行きつけのバーの店員のキャラが似ているように感じたり
気の強い幼なじみと気の強い妹のキャラが似ているように感じたり
私の感受性の鈍化したせいかもしらんが
なんとなくイメージが入ってきづらかったような
結局は、
家族も実家も下北沢も居心地が良くて
だからこそ成長するためには手放すことも必要で、
だけども居心地いいし〜出るのは怖いし〜
みたいな話かなと思った

後半からなんとなく主人公・望の恋愛話になるのだが
あまりの
踏ん切りつかないグダグダ感
に笑った
そこまで踏み出せないってことは
もう好きじゃないんよっ!!
死ぬまで手くわえて見てなさいっ!
と、喝をいれたくなった