映画
「ミッドナイトスワン」
凪沙(草なぎ剛)は、男性の体を持つトランスジェンダー
田舎の母にはカミングアウトせず、東京でニューハーフクラブに勤めている
そこへ、母親からネグレクトされた遠縁の中学生・一果がやってくる
はじめは打ち解けないふたりだが
一果はバレエの才能を開花させ
そんな一果をいつしかかけがえのない存在だと思う凪沙

うーーーーん
草なぎさんの、トランスジェンダー役はとても良かった
ホルモン注射のあと、心身ともに不調になるシーンがあるんだけど、
モロ更年期の女性って感じだった
そして、訳あって凪沙が
「男性の姿」になるシーンがあるのだが、それも
草なぎ剛ではなく、「男装した凪沙」にしか見えなかった
でもね
ここまで悲惨な話にする必要ありますぅ?
救いようなさすぎませんか?

トランスジェンダーは絶!対!
幸せにはなれません!!
とでも言われたようでなんかなぁ

物語のいちばん良いところで
一果のクソ母親
(水川あさみが演じてて、これまたクソさと優しさが混ざってるような絶妙な憎い役)
が現れるんです
で、やっぱりこういう毒母って
子どものいちばん弱いところを鷲掴みにしてるんですよね
それを悟った凪沙がしたこと
→焦って性転換手術
な、なんでぇー!!?
今まで、どんなに勧められても
ホルモン注射止まりで手術はせず、実家へのカミングアウトもしなかったのに
まあ、理由はやっぱり
一果の「母親になりたかったから」なんですけど…
でもね、
女になりたい=母親になりたい
なのかなぁ?ってちょっと疑問なんですよね
もちろん、凪沙は母親になるのが目的じゃなくて
一果に愛情がわいたからなんですけど…
一果の才能を見出すバレエのミカ先生が
うっかり凪沙のことを「お母さん」と呼んで
凪沙が照れつつ喜ぶ、みたいなシーンがあるんですが
個人的にはちょっと蛇足かなって思いました

凪沙のことをお母さんや女性扱いするからミカ先生は良い人みたいなの
そういうの要る?って
そのエピソードがなくても
ミカ先生は充分良い人なのです
一果の経済的事情を察しながらも
バレエの才能を認め、応援してくれる。
そして、もっと解せぬのはね
なんやかやあって凪沙が去ったあと
水川あさみがなんか結構まともな母親になってる!!
え?
ネグレクトしまくりで虐待してなかった?
一果の卒業式なんかもちゃんと参加しちゃってさ!
それならはじめからちゃんとやっときなさいよ!
一果も身ぎれいにしてて、バレエも続けられてるし
ていうか、ちゃんとおばあちゃんいるんじゃん!
なら
そもそもなんで一果は凪沙のとこ来たの?
私の独断ですけど↓
一果さえ来なければね
凪沙は無理矢理性転換したりカミングアウトしたりせず
ときどき寂しさを感じながらも
ニューハーフクラブの同僚とそれなりに楽しく
落ち着いて生きていけたんだよ!!
その均衡をぶっ壊してもいいほど、
一果との生活が幸せだったなんて思えないけどなぁ〜
一果も一果で、
取り返しのつかないところまできて初めて凪沙のことを思いやる言動が出てきたけど
それまで、凪沙がどんなに献身的にしても
感謝どころか噛みつくようなマネしかしないし
今さら大事にしても遅いのよ!!
なんか、なんか
ダンサーインザダークみたな映画にしたいの?ってくらいの報われなさで
なんだかイライラしたわぁ
とりあえず、
あの人物とあの人物を死なせたのは許せん


