「神様のケーキを頬ばるまで」
彩瀬まる
コレの続きです

最終話
「塔は崩れ、食事は止まず」
天音は、大好きだった郁子と訣別し
共同経営していたカフェを追い出される形で去った
生きる気力をすっかり失った天音だが
仕方なくホームセンターでバイトをはじめる

最終話、思わず泣いてしまいました
天音がバイトをはじめたホームセンターに
浪江さんという社員がいるのですが
その浪江さんが、
天音の尊大すぎるところも、仕事に真剣なところも
まるっと認めたうえで、背中を押してくれるのです
私はこの本を読むのは2回目でして
一度目は泣くほど心を揺さぶられた思い出はないので
なんだろう、一度目と二度目の間に
なにか自分に心境の変化でもあったのかな?と不思議になりました
浪江さんのような
自分の欠点も長所もまるっと受け入れてくれる
メンター的存在?を今の私は求めているのだろうか?
タイトルの「神様のケーキを頬ばるまで」の意味
どのお話もなんとなくどこか暗いところがあるせいか
「神様のケーキ」=死んだあとの世界
人生が辛くても、いつか死んだら楽になれるからそれまで頑張ろうね
的な少し後ろ向きな意味なのかと勝手に捉えていたんですけど
たぶん全然違った!!
どの主人公も、どこか自己肯定感が低く
なかなか自分を褒めることをしないだけど、
「今日の自分はがんばった」と、
自分のためだけにケーキを用意して味わう日があってもいいんじゃないか
そんな日のために生きていこう
きっとそんな、前向きなタイトルなんだなと最終話を読んで思いました
私も、自分のためだけに
美味しいケーキを用意して一人で味わう夜があってもいいかもな
そんなふうに思いました