猫目荘のまかないごはん
伽古屋圭市
会社を辞め、実家を飛び出し、料理と訣別している
フリーター・降矢伊緒は
まかない目当てで「猫目荘」に引っ越してきた
そこに住む、少し変わった普通の人々とのお話

毒親育ちやトラウマ、
非正規雇用やユーチューバー、俳優などの職業
性的マイノリティや、オープンマリッジ、独身を貫くこと
この物語の人物は皆、
「普通じゃない部分」を持っている
というか、彼らが普通じゃないというのではなく
人はみな、「平均と外れる部分」を少なからず持っている
それこそが「普通」の一要素だとも思える
そして、普通だろうとそうでなかろうと
本当にやりたいことに真摯に向き合ったり
傷つけられれば心を蝕まれ
尊重されればホッと心が暖かくなる
それはみんな一緒なんだよね
そして、おいしいものを食べると心が緩む
好きな人と、好きな距離感で触れ合うことは心を救われる
それも皆同じではないでしょうか
この物語にはいろんな食べ物が出てきますが
どれもほんと美味しそうで!
とくに、猫目荘のまかないメニューは
自分も作って食べたくなった
これが作らずに出てくるなんて最高〜
飯テロ的側面でも楽しめます
生きていると、理解できない人や上手く行かないこと、
不意打ちで傷つくこともたくさんある
あなたも私も、理解はできなくてもお互い尊重はできるはず
毎日繰り返している
温かい美味しい食事を用意して食べることは、
誰しも、健やかに楽しく生きるためのことだから
そしてそれは、他の誰かを傷つけるためではないはずだから
と、ふとそんな感想が浮かびました

