ある港町
行方をくらませたままの夫を30年も待ち続ける登美子(田中裕子)
そこへ、2年前に失踪した夫を捜す奈美(尾野真千子)がたずねてくる

「理由もわからず消えた夫を待つ」女の物語
港町が舞台で
つまり、「どこぞの拉致」も無視できないから厄介
帰りたくても帰れないのかもしれない。
そう思うと…なかなか次に進めない
田中裕子演じる主人公の登美子ですが、
私は観ていて、いつ彼女が感情をあらにして怒ったり泣いたりするのかと
ハラハラしました
だって、普通に考えたら
理由もなにもわからない夫の失踪だけでも気が狂うし
狭い港町で、外野が余計なことやいやい言うわけです![]()
いい加減忘れろとか。
登美子に横恋慕する幼なじみ(ダンカンが演じてるんですが、いい味出してます)と
強引にくっつけようとしたり。
でも多分、登美子が数年で夫を諦めて再婚したりしたら
それはそれで周囲はガタガタ文句言ってただろうと想像。
だけど登美子は、どんな時もひたすら「静」を貫きます
もう、ここまで感情が干からびてしまったのかと凄みさえ感じる
それに比べると
尾野真千子演じる奈美は、「動」の女性
彼女たちは、似た境遇にありながら、全く別の性質をもつふたりです
ちょっとネタバレすると、
登美子はひょんなことから、失踪した奈美の夫に出会います
彼は、自分の意思で消えていました。
コレがもうホントに
イライラする男でさ!!
自分の意思はないんかと!
すべて人のせいで人に言われるままかよと!
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せめてさぁ
自分の意思で消えてく奴は、とりあえず自分の意思ですってことだけは
伝えてから消えるべきだよね!
残されたほうも、はじめは傷つくし納得できないけど
まあそれがあいつの意思かよと思えばそのうちあきらめがつく
とにかく、
私が想像もしなかったタイミングで登美子は涙を流し、怒ります
感情が干からびてなどいない
押し込めてきたのだと
そして、押し込めたものはいつかどこかから溢れ出すのだと
圧倒されます



