「走る家」
唯野未歩子
コレの続きです

「鳥や犬や」
38歳の真砂子は、大庭くんとたびたびデートする
毎回、あちこちへ美味しい料理を食べに行く
そして、大庭くんは
女の人を楽しませる会話がとても上手
だけど、本当の気持ちははぐらかす
ふたりの仲は、実際はなにも進展しない。
真砂子は、大庭くんの家にごはんを作りに行きたいと言って
やんわり断られていた

結末まで読んで
え、大庭くんって結局極度の不器用なだけで
これから少しずつふたりは仲を深めていくってことなの?
と、首を捻った
だってだって
私にはどう考えても大庭くんて
恋愛の楽しい上澄みだけが欲しくて
わざとちゃんとした恋愛に進展させないようにしてるふうにしか見えなかったからさ
もはや、
実は既婚者なんじゃね?
とまで思ってた
ほんとうのプライベートには踏み込まず
外で食べる美味しいモノだけ共有し
実はしてもしなくてもいい楽しいだけの軽い会話を繋いで
してもしなくてもいい心地良いだけの
軽いハグや手をつないで
そんな恋愛風味のなにかを楽しむのも悪いことではない
が、それはあくまで
お互いそれでいいという場合だけ
相手の気持ちに気付きながら
あえて知らんぷりして擬似恋愛を続けようとするなら
それはやっぱなんか卑怯だよなぁと感じた