「走る家」
唯野未歩子

コレの続きです下差し

「夜を通る」


森山くんが死んだ
やっとメジャーデビューできるという矢先の事故だった

お通夜で会った
聡子、真奈美、理香は居酒屋で森山くんの思い出話をする

それぞれ森山くんが大好きで
別々に対等に森山くんに愛された女たち

すうっと消える紙石鹸みたいだった森山くん



冷静に見れば、森山もロクな男じゃないように思えるが


3人(か、もしかしたらもっと)の女たちにとっては逃げ場所みたいな存在だったのかも



3人はそれぞれ、しょっぱい現実を生きている


不倫恋愛や年下の彼氏との苦労や

主人公の聡子も、結婚を考えている彼氏の浮気に気付いている



大人になると、好き嫌いだけでは済まされない
面倒なアレコレがたくさんある


森山は、「ただ好きで、ただ楽しい」という
青春時代の恋愛を思い出させてくれるような男だったのかなと思う


酔っ払った3人は
「男子っぽいことをしたい!」と
突発的に森山くんの事故現場に行くことにする


そんな行動にも
青春の残滓が見えるような気がした