「走る家」
唯野未歩子
恋人同士
夫婦
肉体関係
それ以外のふたりにもある「恋」の物語
第一話
「走る家」
晴子と須賀くんは、長いこと「友だち」だ
ときどき体を触れ合うこともある「友だち」
長い「友だち」の期間の間、
お互いに、ときどき相手の気持ちを確かめようとする
が、結局はあやふやな肩透かしのまま
ここまで続いている

みんな、ハッキリものを言え!!
と言いたくなった
晴子も須賀くんも
晴子を「奔放な家」と例えたかつての恋人(おっさん)も
なんとなーくほのめかすだけで
自分の気持ちを明かそうとはしない
そして一方的に、相手からの反応に期待して
期待した答えが得られないと勝手に拗ねたり落胆したりする
そんなのは恋どころか人間関係ですらねえよ
と、単純な私は思ってしまったが
子供のころの恋愛はそんなこともよくあったかもね
素直に自分の気持ちを伝えるのは恐怖なので、なにもいわずに
相手より、うわてに立とうとする感じ
だけどさぁ
もう大人でしょ?
須賀くん結婚してるし
コレはもう、ここまできたら
ただ縁がなかっただけのふたりだよなぁ