「図書室のはこぶね」
名取佐和子
野亜高校の図書室に、なぜか二冊ある「飛ぶ教室」
本の間に挟まったルーズリーフには、謎の文章
「土曜ダンスをぶっつぶせ!」
バリバリの体育会系なのに、怪我で体育祭も
野亜高名物「土曜ダンス」にも参加できなくなった百瀬と
万年同じ女子に告白してはフラれ続けてる
「コクタロウ」こと、図書委員の朔太郎は
二冊の「飛ぶ教室」と、ルーズリーフの謎を解くことになった
それは、10年前に亡くなったある生徒に繋がり…

おもしろかったー!
ルーズリーフの謎もワクワクしたし
その謎が明かされてわかった過去のことが、
現在の野亜高を変えるきっかけとなるのもいい
ミステリ要素だけでなく
伝統を守ること、新しく改革すること
みんなで同じ目的に向かって努力すること、
個々の違いを尊重すること
両極にあるふたつのことについて考えさせられた
伝統にならうことと、個人を尊重すること
私としてはどちらも大切だと思う
どっちかに片寄りすぎるとおかしくなるものだと思う
また、高校生が主人公だけあって
甘酸っぱい恋愛要素もあるんですが
恋になりはじめの心の流れが丁寧に描かれており、
高校生といえば恋愛だよね!みたいな安易さがなく自然だと感じた
ちょっと変わり者の司書の伊吹さんや、
ぴったりの本を選んでくれる検索機など、
いろいろ魅力的な野亜高の図書室、
行ってみたくなりました