「お手がみください」
高森美由紀
10年勤めた会社が倒産し、不安を抱えている眞子
履歴書を書きながら思い出すのは
子供のころ
一文字一文字、心血を注ぐように自分の名前を書いていた
曾祖母、かずのこと。
小学二年生の眞子にとって、優しくていろんなことを知っている曾祖母だが
ひとつだけ、できないことがあった

曾孫と曾祖母の、たわいもないやり取りが暖かく描かれます
眞子とかずの二人の世界は優しくて暖かいんだけども
それ以外のふたりを取り巻く外の世界がなかなかシビアで切なかった
眞子の両親のギスギスした感じや
眞子のクラスの意地悪な子や担任の冷淡な感じ
なんか、性格悪い人多過ぎない?
って思ってしまった
でも、小学二年生ってだんだん周りが見えてきて
今まで思っていたほど、皆が皆仲良しじゃないし良い人ばかりでもないって
気づきはじめる頃なのかもしれない
そんな眞子にとって、かずはシェルターのような存在だったのかも。
そして、二十年の時を経て
久しぶりに訪れた曾祖母の部屋で、眞子はあるものを見つける
それは、自信をなくしかけている現在の眞子を励ましてくれるものだった
映画「ニューシネマパラダイス」のラストを、ちょっと思い出しましたねぇ