「あいまい生活」
深沢潮
スイーツエステートが管理する女性専用シェアハウスのひとつ
ティラミスハウス
名前の可愛らしさとは裏腹に、
住人女性たちはそれぞれの事情を抱え、貧困にあえいでいた。
第一話
「樹」
ティラミスハウスに新入居した、樹
本当は、親の援助でニューヨークに語学留学に来ていたが
そこで知り合った日本人の男にふらふらとつられて帰国してしまった。
当然、彼と住めると思っていたのに、どうやら話が違う…
樹は不本意ながら、一ヶ月間だけこの劣悪なシェアハウスに仮住まいすることにした
タイトルや表紙デザインの可愛らしさからして
ちょっとホッコリ、みんなそれぞれ大変だけどがんばろうね!
みたいな話かと思いきや
一冊ほぼまるごと
「持たざる者」「与えられなかった者」たちの苦悩が描かれる

本人のやる気、能力の問題と切り捨てることはとてもできない
現代社会の歪みだと思う
一話目の樹はまだマシかな。
ちょっとおバカだけど、いちおう心配してくれて援助してくれるわりと裕福な家族がいる
(ちょっとおバカなままの大人の女性というのも深刻な問題なんだけど)
とりあえず、ティラミスハウスが名前通りではなく
甘くもトキメキもない巣窟のような場所だということがわかる回だった