「それをAIと呼ぶのは無理がある」
支倉凍砂
いつもAIが隣にいるのが当たり前の未来
そんな世界にいる若者たちの
友達や片思いや自意識や将来の夢の話。
第一話
高校生の浩太は、クラスメイトの高階さんに片思いしている
片思いしてるだけで、一向に行動に移せない浩太は、
浩太の専用AIや、人間の友達の藤次にからかわれている
浩太のAIは、トカゲ型。
生意気なトカゲだが、浩太のことを一番理解している親友だ
だけど
AIとは、緻密に「人間」を分析し「学習」する、しょせん「ただの道具」なのである

全編通して、「AIが人間の生活に馴染み密着する未来」というものに
矛盾が無い細やかな設定や説明がきちんとされている(と思った)
ただ、それだけに
機械やテクノロジーに弱い私は読んでるとなんだか眠い~!!
決してつまらないわけではないんですが、
AIやシステムの設定を理解して想像するのが難しかった
若者のモジモジを描いているのに、あいだにAIを挟むと
なんだかエモさが少なめ。
繰り返しますが、決してつまらないわけではないんです
一話目でいうと、
「道具への愛」っていうのがエモいポイントかなと思いました
AIはお喋り上手なうえに、持ち主のことをどんどん学習するから
いちばんの親友みたいになる。
だけど、こっちの気持ちに寄り添って喋るのも結局はプログラムですよね?
とか思ったら急に醒めるよね
騙されるとこだった!みたいな
長年使ってる包丁や、ペンや、そういうもの
言葉なんか通じなくたって、とっくに手に馴染んで
「コイツじゃなきゃダメ!」ってモノありますよね。
言葉は通じないけど、きっと道具のほうもそう思ってくれてるはず(笑)
浩太とトカゲのAIも、きっとそんな関係なんだと思った