「思い出リバイバル」
彩坂美月
過去に捕われている人、過去から抜け出せない人
そんな人に、たった一つ、思い出を追体験させてくれるという
「映人」という謎の人物
「映人」の噂はネットでも広まり
思い出を「リバイバル」したい者たちが「映人」を求めて集まって来る
一話目
「父の思い出」
亜依が「映人」に依頼したリバイバルは、ろくでなしの父の思い出
離れて暮らしていた父は、久しぶりに亜依と再会した直後、殺された

人は多面的な生き物で、
亜依の父親もまた、家族を守れないろくでなしである半面
家族を思いやる優しいところもある人間だったのだ
にしてもクソ親ですけどね。
だけど実の娘にしてみたら、クソ親ですよねで割り切るのは難しい
いろいろあって、今は両親と疎遠になっている私ですが
ときおり繰り返し思い出す光景がありました
小さい頃、家族旅行で牧場に行ったとき
母が両手にアイスクリームを、父は搾りたての牛乳を持って
笑顔で私たち兄妹のもとへやって来る光景です
その後何度も、時々親を憎みそうになるとき
なぜか繰り返しその光景が浮かびました
憎みたくない。って思ってたのかな。やっぱり…
彼らとだいぶ離れた今となっては
牧場での二人のこともほとんど思い出さなくなり、穏やかです
本の話に戻りますけど
亜依の父親の死の真相には驚いた。
ま、マジか…そんなんアリ!?