「私はいったい、何と闘っているのか」
つぶやきシロー


 

 

ベテランのスーパー店員、伊澤春男45歳

家庭では三児の父親。


一見、平凡で穏やかな男の人生のようだが、とんでもない

春男はつねに闘っているのだ


見栄も、嫉妬も、怒りも、迷いもあるが

優しさもある、正しさもある、強さもある


それらがないまぜになり、

春男の脳内はつねに激しく波打っている



芸人・つぶやきシロー氏が小説家でもあったことを、

はじめて知りました!



個人的には

「シュールな人間関係あるあるネタ」のイメージが強い芸人さんなのですが


この小説でも、そういう気まずいシチュエーションから生まれるおもしろさ

みたいなものがそこここにあります。



が、それ以上に

心の繊細さや優しさ、弱さ、ときに醜さなど

細やかな心情の描写が魅力です



あるある!ってなったり

こういうふうに思うの、私だけじゃなかったんだー!

と思ったり



そして、なんというか意外なのですが

読んでいて何回か、

「これは芸人さんが書いている小説なのだから、多少はネタとして受け止めればいいのよ滝汗

と、自分に言い聞かせながら読む箇所がありました



どういうことかと言いますと


そうでもしないと恐ろしい気分になってしまう箇所がいくつかあったんです


サスペンスとかスリラーという意味ではなく

不自然に不条理な展開になるという意味ではなく



人間関係において、ときどき意図せずに

こういう不幸でシビアな状況に陥ることがあるよね…真顔真顔

という

個人的には背筋が冷えるようなシーンがいくつかあるんですよね



むしろ全体通して読むと、

著者はこのシビアさを描きたかったのかなぁと思うくらい



そういう感想も含めて

明日から一話ずつレビューしたいと思ってます気づき