デパートで服を買いたい!と言って、
母から裏切り者と呼ばれた話
この話ねぇ、今この年齢になって思うと
母も大変だったんだろうな、と思うんですよ
母は専業主婦で、父の収入が全てでした
その父の勤め先(スーパーマーケット)が倒産危機といわれれば、
まだお金のかかる子供を持つ母は気が気じゃないでしょう
夫の勤め先のノルマで買い物なんて、本来理不尽なハナシだとおもいますが
必死で協力したんでしょう
それも我が家、我が子のため。
なのに、年頃になった娘がノーテンキに
「デパートでお洋服買いたーい
」


赤ん坊でもないだろうに
家の状況すこしは考えろや

どっかのお金持ちの家の娘の真似っ子してる場合じゃないわ

こう思われても仕方ありませんね

でも裏切り者呼ばわりするか…
自分のなかで、今でも割りきれないくらいですから
当時は相当割りきれなかった
お父さんの勤め先が潰れるのも困る
だけど憧れの店で服もほしい

そんな私が、お小遣いをためて、決死の思いではじめてデパートで買った服
今でも覚えてます(数年前までとってありました)
i.n.e.のTシャツ
値段も覚えてて、3900円
なんなら、父のスーパーマーケットで買うのと大して変わりません
家族を裏切ってしまったと。
それと同時に、ただのシンプルなそのTシャツがうれしくてうれしくて
それこそ毎日着てました
となると当然、母にもばれますね
「お父さんが失業してもいいの?裏切り者」
マイルドな毒親ってさぁ、
こういうふうに、「家のため」とか「子供のため」の延長上にシレッと居るから
子供もなかなか気づきにくかったりするよね
でももう私は止められなかった
大学に入って、バイトもするようになると
ひとつひとつ、憧れのブランドで服を買うようになります
憧れのブランド=non-noやプチセブンに載ってる高校生~大学生むけのブランド
母は気づくたびに、恨めしげに見てきます
「お父さんの商売敵に」
「裏切り者」
「うちがどうなってもいいの」
余談ですが、私には5歳年上の兄がいて
彼はとっくにスーパーマーケットの服なんて卒業し、バイト三昧で
似合いもしないagnes b.で全身固めていましたが、兄はほとんど咎められず。
おかしいよね。
それもあって、私は母に反発しました
私がバイトで稼いだお金、私も好きなように使うんだ

だけどこれでもし、お父さんが職を失ったら…

大好きな服には、とても複雑な気持ちがありました
正直、私がどこで買おうと、父の勤め先は倒産してただろうよ

結局いまでも正解が分からない