「さよなら、田中さん」
鈴木るりか

 

 

小学生の、花(花実:はなみ)


お母さんは肉体労働、豪快で、とにかく食べること第一!


そんなお母さんとふたり暮らし。



一話め。



「いつかどこかで」



花はお父さんのことをなにも知らない。


お父さんがいない友達は何人かいるけど、みんなもう少し自分のお父さんのことを知っている


もしかして、私のお父さんって犯罪者かなにかなの…?



そんなある日、花は校門で

「友達の優香ちゃんの父」と名乗る男に声をかけられる



お母さんがとても魅力的。

 

生まれ変わったら「虫」になりたいっていうのもすごく共感できる。



どうして生きてるのかな?とか

生きてて意味があるの?とか考えるから辛くなるんだよね



ただ、生まれたから生きてる。


与えられた命を終わりまで生きる



それが命を与えられた者のたったひとつの義務なのかも



そのために、なにがあっても、生きよう!食べよう!

お気楽なようにみえて、花のお母さんの強い覚悟が伝わって来る



「食器棚の奥の骸骨」という言葉が文中に出てきます

どんな家庭にも秘密はある、ってこと



花の家の質素な茶箪笥にも骸骨はあるみたい。


でもきっとそれは、後ろ暗い気持ちではなく

花のお母さんの、花を守りたいという優しさと決心の表れでもあるように思う



たくましく生きていきたい