
実際の事件・事故のノンフィクションを読むこと、
さらにその感想を記録することは私にかなり珍しいことだと思う
物語でない実在する悲惨な記録を読むことで
精神的に大きく揺さぶられ、立ち直れなくなるからだ
しかしこの事件は、被害者の方が同世代の女性ということで
当時からかなり心に焼き付いた事件であった
文章はとてもわかりやすく、
事件の内容に関わらずストレスなく読み進めることができた。
しかし、これを言っては本末転倒かもしれないが
「どうして犯人はそのような凶行に至ったのか」を分析することって
正直たられば感が強いというか…
幼児期、人格形成期にあきらかにこれとわかるストレスを受けている犯人のケースも
あるとは思うが
この事件の場合
家庭環境が若干特殊だった。
母親は仕事が忙しかった。
犯人は早い時期から精神を病んでいた。
両親は、早い時期から及び腰だった。
だけど、これらの条件がすべて重なっても皆が凶悪犯になるってわけじゃないし。
特に本書のなかで、繰り返し
「母親が、息子の暴力性をたいしたことのないかのように受け流す態度」について
ここに問題があったのではというような書き方がされているが
それはなんかある意味しかたなくない?と思った。
母親は犯人が中学生の頃からたびたび精神医療に繋げているし
家庭内暴力に堪えかね警察に相談もしている
警察に関しては、犯人は前科まであるのだ
しかし、
病院では「子供にはよくあること」と言われ
警察には「家庭内のことは保健所に」と言われる
初犯に関しても、更正はほとんど母親に担わされた
家では母親がたったひとりで、引きこもりの暴力息子の相手をするしかない
そりゃ、見て見ぬ振りしてやり過ごすしかなくない?
誰も助けてくれないんだなって思うよそりゃ
理由なんてない
クズな変態モンスターがそこにいた。
理由があるなら、親身になる人があまりに少なすぎた。
それ以上でも以下でもない
生い立ちのせいだけにされても困ります…
ただ、一般的に罪とされる性癖を持って産まれてしまった人間は
気の毒だと思う
こればかりは本人でコントロールするのはとても難しい
性的な快感を得ようとすれば、限りなく犯罪に近づいてしまう
これは賛否あると思うが
外部から能動的にコントロールするのも必要ではないだろうか。
(スクリーニングや、治療など)