恋はさじ加減
平安寿子

「愛のいどころ」
両親がおらず、祖父母に育てられた修介
母親からの厳しいしつけに反発し、料理に拒否反応が出る典子
ふたりの食卓は緩くて自由だ
外食やレトルト、コンビニも、おいしいものはたくさんある
それなのに最近修介は、
「おばあちゃんの手作り梅干し」作りに夢中…
手料理なんてしなくていいって言ったくせに…!
典子の胸に、謎のゾワゾワ感と悔しさがよぎる
ちょっとだけ切ない話
典子が愛のいどころをやっと見つける話
両親がいなくても
夫婦の食卓に手料理がなくても、
そこに愛はある。
典子の母親が、娘を一人前の女にしようと、イライラをぶつけながら料理を仕込む台所にも
たしかに愛はあったのだろうけど…
愛というのは、受け取り側の気持ちもとても大事なのだ

傷つけながら接しておいて、なにが愛だよと思いますもの

まさかそれに感謝しろとでもいうの

誰かを笑顔にしたい、誰かを喜ばせたいと思う気持ち
そういう気持ちのある場所に
愛は灯るのだと思った


