ばにらさま
山本文緒
明るく見えるもの、愚かにみえるもの、普通にみえるもの
その裏側を描く短編集
一話め。
ばにらさま
非モテの太っちょサラリーマンの「僕」にできた
バニラアイスクリームのように白くて美しい彼女
モデルみたいな彼女と愚鈍な彼氏
ふわふわしてる彼女と堅実な彼氏
さて、真実は…
この短編集だけでなく、山本文緒作品に共通するのが
飲みやすいと思ってゴクゴク飲んでいたドリンクが実は強い毒だった。
みたいな感じ



一気に毒がまわって、気づいたときにはドーーンと立ち上がることもできない感じ。



この作品も毒が回るのは一瞬だ
それまでにもすこしずつ不穏な感じはあったのものの、
落としどころは想像を超えてはるかにシビアだった。
彼女も彼も、なにもわかってないわけではない。
なにも感じない人なんていないのだ。
だだ、最後の彼女の日記には
個人的に少ーしだけ救いがあるように感じた

この先も彼女は変わらないかもしれないけど、
彼とのいきさつを経て、少しだけ成長するかも…という希望
