


鯛素麺
かわいいかわいい幼い娘のために、サンドイッチなど簡単な料理をするようになった若い父親
それがなんでだか、鯛素麺なんていう凝った料理をすることになり…
私、鯛素麺という料理をはじめて知りました!
作り方も詳しく載ってたけど、なかなか面倒そう…でもおいしそう!
子供の気まぐれリクエストメニューを一生懸命こしらえても、いざ反応はいまいちなのは
結構あるあるだね
チキンの魔女風
大学に進学し、はじめて一人暮らしをする青年の
はじめての料理チャレンジ!
何を隠そう私もはじめての一人暮らしのとき、
この短編を参考にチキンの魔女風を作ってみたことがあります。
この小説と同じように、手間をかけても食べるのは一瞬、でもやっぱりなかなかおいしい!
ただまぁ、料理初心者がやるメニューではないわなぁ
カレー
家族構成も年齢もそれぞれ違うアパートの住人たちの、それぞれのカレー
クリエイター夫婦の凝ったカレー、
老夫婦の薄いカレー、
小さい子持ち一家の甘めのカレー、
食べ盛りの子供のいる一家のボリュームたっぷりなザ・家庭のカレー
この短編集で二番目に好きなお話!
カレーと名が付くけど、それぞれ家庭によってかなり違うところがおもしろい
パエーリヤ
そろそろ適齢期の女の子に、なんだか安定したお付き合いの彼氏ができる
お家デートで料理を振る舞うことになり、
そうだ!スペイン旅行でおいしかったパエーリヤを作ってみよう!
はたして日本の台所で、ぶっつけ本番のパエーリヤはうまくいくのか…!?
どのお話にもいえるんだが、ストーリーがちゃんとありつつ、
料理についても細かく情報が乗ってて
なおかつ短編としてパキッとまとまってるのが本当に好き
そば
仕事で息詰まりを感じた中年男性
現実から逃避するようにそば打ちにハマる。
そば打ちの過程の説明がわかりやすくて飽きない。
ちよっと滑稽なのもいい。
ただね、個人的には私自身の父親が、
仕事のストレスを家族に当たり散らすタイプだったから
当時の重苦しい雰囲気を思い出してちょっとイライラした
八宝菜
危うげな夫婦。どうやら夫はなにかコソコソしてる…
妻は、今日こそ問い詰めてやりたい!と美味しい料理でも作って和やかに過ごしたい…
という気持ちが半々。
悶々として作りはじめる八宝菜。
はたして八宝菜は、二人の仲は、うまくいくのか!?
コレ、一番すきなお話っ!
この、イライラしてモヤモヤして、でもなんとか持ち直さなきゃ…
ってジリジリ感がスッゴいわかる!
結末の心情描写、すっごいわかる~!
ぬか漬け
仕事をリタイアした65歳の男性
なんだか精神不安定に。
そこでふと始めた「ぬか床」
それは男性の心にどう影響するのか…!?
「そば打ち」の章とちょっと似てるんだけど、こっちはイライラしない。
家族を巻き込まないし、試行錯誤しながら少しずつぬか床を慈しむ様が愛おしい
全編通して
食べ物と人生は、切っても切り離せなくて
その営みひとつひとつが真摯で愛おしいものだと感じさせるところがとても好きです
もうどの話も覚えてしまうほど読み返しましたが、
それが逆に、ちょっと心が疲れてザワザワするときに
読み返すのにちょうどヨキなのです!