前からちょいちょい書いていたんですが
大好きな清水義範作品について。

高校、大学生くらいで知って、夢中で読みました

それはそれはたくさんの著作がありまして、しかもジャンルも一つに留まらないというか 
作品によって多彩な特色があるのです。

  今日ご紹介したいのは


親亀こけたら

 

 

短編集。


一家の大黒柱である父が急にリストラされ、家庭内の崩壊を描くシニカルな作品や

仰々しげに発表するわりに実はそれほど大した偉業は成し遂げてない男の年譜


など、ありそうでちょっと笑えるお話が集まっている



その中で挙げたいのが

「不機嫌なめざめ」という短編。


小学生高学年くらいの女の子の、

親や、先生や、友達や、世の中に対して少しずついろいろなことが見えてきて

でも、はっきりとはわからないしそんな自分に戸惑ってなんとなくイライラする

みたいなお話なんですけど



清水先生は、思春期入口の女の子になったことがあるのですか!?

というくらい心情が繊細に描写できてるんですよね~チュー


元・思春期の女の子からしたら

「あるある~!!」って感じ流れ星流れ星


他の作品集だったと思いますが、

こういう感じの女子高生バージョンや青年バージョンもあったような。


清水義範の作品の特色のひとつに

パスティーシュ(文体模倣)というのがあって


たとえば往年の作家のよく知られた文章のクセをあえてなぞりながら

まったく別の物語を描く。

「もしも司馬遼太郎が猿蟹合戦を描いたら」みたいな作品もあるらしいです笑笑



これも、まるで思春期の少女の日記の文体をパスティーシュして書いたかのような

妙なリアルさがあるんですよね~ラブ


 


思春期なんて昨日のことみたいに思い出すわ~