木皿泉
さざなみのよる

 

 

主人公、小国ナスミの死を始点として

ナスミの周囲にすこしずつ波紋のように広がる命の奇跡の物語



これ以上の説明ができないくらい

この小説が大好き!!えーんえーんえーん



子供の頃から私、死ぬのが怖いんですショボーン

世界から自分が消えるということよりも

消えるまでの苦しみとか、悲しさとか、無念さとか、恐怖とか。

突然ボンッ!と死ぬこともあるけど、それはそれでどれほどの衝撃があるんだろう…


とか想像すると怖くて怖くて。

正直それで眠れなくなりそうな日があったえーん


なので、ミステリーやサスペンス以外で人が亡くなる話は苦手です。



この物語は、第一章で主人公のナスミが死ぬ。

むしろ、生きている最期のナスミを丁寧に描いたのが第一章。



だけどねなんだか


この第一章を読んで死への恐怖が少し薄れたように感じる


第一章もぜんぜん安らかじゃない。

ナスミは病気だし、日に日に弱っていくし、

まわりの人が影で悲しんでいるのも知ってるし、ナスミだって本当はまだ諦められない。

元気だった頃を思い出すし、そんな日はもう戻らないんだと

少しずつ絶望していく心の過程が丁寧に描かれる

そこを読むのはとても辛く感じた。




だけど、最期の「その時」のシーン

なんと今まさに死にゆくナスミ視点でそれが描かれていて

 


まわりの喧騒をよそに内面はとても静かであるとか

深海に沈んでいくようで逆に海面にポッカリと浮かび上がっていくような


今までこだわってきたことをそっと手放して

まるで死ぬのではなく生まれる前に戻るかのような気づき

  


ぜんぜん上手く説明できないのですが、その描写を読んで

死はまるで新しい旅に出るかのようだと思った

死を「旅立つ」と表現するのはよくあることだが、はじめてそれがしっくり来た


作者はもちろん死んだことはないだろうに、この臨終の描写の説得力に驚いたびっくり



もし私が、自分の死期をある程度予測できる死に方をするなら

一分一秒が死に近づいていることを実感する最期を過ごすことになるなら



この小説を側に置いて最期の瞬間を迎えたいと心から思っています。

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命って死んで終わりじゃないんだって思う小説。まだまだ語りたいことあるわ