自動車教習所の教官をしてる主人公
教習生や同僚、バーの店員、元妻と娘などがその他登場人物
全部がうまくいくわけではなく、
そのうまくいかないあたりが個人的に好きだと思いました
特に、おばあさんの教習を受け持つエピソードが好きです

「教官」としてだけでなく、
「元夫」「父親」「ロック好きの常連客」など多面的に主人公が描かれる
45歳にもなると自分がわかってきて、
自分がつまらない人間であることもわかってる
でもなにかひとつ、自分を豊かにするものに出会ったから
それは年を取って目や耳が不自由になっても自分の中に残りつづける
というような一文があって、深く共感できました

私の場合そのなにかは、こうやって本を読んだりすることかなぁ

きっと今まで読んだ漫画とか本とか、
おばあさんになって目も見えなくなっても思い出したりするだろうと思うんですよね

わたしの教習所エピソード
社会人になってしばらくしてから取ったので
周りは高校生だらけの中、結構目立ってました

この本のように、教官は厳しい人もいたけど皆紳士でした
私は縁石に幅寄せするということがどうしても苦手でして
何回かそこでつまづきました
厳しめの教官からももちろん
かなりのダメ出し


で、最後のハンコ押しタイムになったとき、
さっきまでとは打って変わってその怖めな教官が困ってる

「うーん。ちょっと今日の感じで言うとハンコは厳しいというか…」
どうやらハンコが押せないのが申し訳ない様子
えーこれは意外

バッサリ斬られると思っていたので
「えーと、私、また次回もう一度がんばりますので…」
教官の困りっぷりを見かねて自らそう申し出ましたら
怖めの教官が、あきらかにホッとしたような今日一番の笑顔で
「そうだね!またガンバッテ!!」
と言ってくれました
この本を読んだとき、
教官は仕事だけど、みんなに安全に免許をとらせたいと思ってる
みたいな箇所が出てくるんですが
この怖めの教官のことを思い出しましたねぇ

ポンピングブレーキ習ったわ