
中学受験がテーマ
婚活がテーマ
小学校の組体操がテーマ
今作は「イマドキのリクルート」がテーマだと思う
ネットを駆使したイメージ戦略
親をも巻き込む戦法
ライバル会社を出し抜くやり方
はたまた、昔ながらの青田買い
「買われる」方の就活生もまた
ネット掲示板で好き勝手なことをぶちまけたり
「親に言われたから」なんて理由で採用を反故にしたり
堅すぎても敬遠される
チャラ過ぎたらナメられる
一筋縄ではいかない
ズルすれすれのノウハウを巧みにあやつる川俣
私は前半、これはお仕事小説なんだと解釈していました
川俣のヒモ彼氏や猫カフェうんぬんの話は必要なのかな?と思うくらい
仕事はモーレツでも、プライベートは渇いてるという表現なのかなと
だけど、読み進めるうちにだんだん
川俣が恐ろしくなってきて
社長賞だとか、良い学生が欲しい以上の欲望というか
むき出しの「支配欲」のようなものが感じられて
それこそ、ヒモ彼氏のセキが言うような
「神の視点」に酔っているような
川俣は
内定がほしいと右往左往する学生の心をコントロールすることや
その中から選び取ること自体に
喜びを感じているのではないか
小説の才能を見出して家に住まわせているはずなのに
なかなか結果を出さないセキに苛立つのも
自分の「先見の明」が狂っていたことを認めたくないからではないか
少しでも良い社員を欲しい
成長したい、会社を成長させたいと思う社員を選び取りたい
そう思う川俣の気持ちにも嘘はないし
それがリクルート担当として悪いとも思わない
だけど、一瞬の出会いを通して相手の資質すべてを見抜けているという
驕りはたしかにあり
それが最後に露呈する
まさかの、オマケ要素だと思ってた猫カフェで…![]()
川俣が欲しかったのは「あの子」そのものではなく
「あの子を自由自在に選べる自分」という全能感
「相手の良さを見抜いた」と過信することは
実は、自分のエゴをそのまま相手に投影してるだけの状態だった
というラスト
眼の前の相手のことをわかったつもりで見切っていたけど
全然違う
相手の心や本質なんてなにも掴めていなかった…
結果、なにも残らなかった…
これまで読んだ朝比奈あすか作品は
「途中でドロドロ、ラストで突然爽やか」なイメージだったんだけど
これは逆に
「ずっと淡々、ラストで突然落とす」っていうパターン!



