毎年、年始に出身大学から学報が届く。

すっかり記憶の彼方に追いやられた大学を、

唯一、思い出すきっかけになっている。

のだが、

もう20年以上経ってしまうと、

知っている教授や助教授はほとんどが退官しているし

大学を写している写真も、自分がいた時から全く新しくなっている。

学部も新設されているし、研究室もサークルも新しいものばかり。

その内容だけを見ていると、どこの大学のものか全くわからない。

ここまで来ると、こういった学報を見る意味はあるのかな、

とさえ思ってしまう。

ただ、そこにいた存在証明にしかならないような気もする。