何年か前にビレッジバンガードでプッシュされてて、
当時読む本の無かった僕が活字欲に負けてついつい買ったのが、
そもそもの伊坂幸太郎の始まりです。
ゴールデンスランバーも再読したいなあ。
市井に生きる人々のそれぞれに小さくても物語があって、
それは誰にも侵せるものではない、ということを
村上春樹「アンダーグラウンド」や宮部みゆきを読んで思ったんですが、
伊坂幸太郎はそれを明示的には書いていないんですが、
前提として当たり前に踏まえているような気がします。
伊坂幸太郎の「アヒルと鴨のコインロッカー」に、
自分は誰かの物語に途中参加してるだけなんじゃないか、
という話が出てきますが、
「砂漠」でも、語り手の青春時代的な話があって、
それはそれで面白いんだけど、それはそれ、という語り口があって、
一人一人の物語も、面白いかどうかは別として、
それはそれで軽いものではない、という思いが
底に潜んでいるように思いました。
自分も誰かの物語にちょい役でも出演してたらいいなあ、と素直に思いました。
できれば悪役じゃないほうがいいんですけどね。
新年といっても昨日と明日と地続きの時間の流れの一つですが、
去年も今年も来年も区切りが、ただそこにあるだけかもしれませんが、
あなたの物語に参加しているのか参加していないのか分かりませんが、
勝手にお祈りします。
皆様、良いお年を。