SUPARMARKET FANTASY | 胡麻麦茶

胡麻麦茶

大史がレコーディングダイエット中!!!

伊坂幸太郎の
「フィッシュストーリー」に
収録されている『ポテチ』で
今村がニュートンに遅れて
万有引力を発見するという話があった。

自分の前に誰が発見したか知らないけど、
これは自分が発見したんだ、という
主観を押し通すところがとても好きだ。


こちらへ来てから車で通勤するので、
車の中でCDを聴いている。


今さらだがMr.Childrenを聞いている。

2002/5の「IT'S A WONDERFUL WORLD」の
特に『one two three』は、
挫折した人間がもう一度前を向いて
一歩一歩歩き出すという詞で、
体の内側からやるぞという気になる好きな歌だ。


だが、2008/12に発売した
「SUPERMARKET FANTASY」の
『口がすべって』で感動した。


この曲は"口がすべって君を怒らせた"僕の、
でもゆずれないものもあるんだよな、という独白から始まる。

"それが僕の悪いとこ"と反省したりという、
僕と君の視点を1番では歌っているのだが、
2番になると視点が一気に広がる。


"争い続ける 血が流れている"と
世界で起きている価値観の違いから起きる
悲しい出来事に触れている。

戦争や紛争といった"簡単じゃないこと"と
"君を怒らせた"ということを
価値観の違いというアプローチで並列に扱い、
今度流れ星がきたら誰かのために祈ろう、と歌うのだ。


Mr.Childrenはもちろん"僕と君"の曲もたくさん持っているし、
前述のように世相や平和を歌うことも多いのだが、
その両方が同じこの世界で起きていることだというのを
ひとつの曲で言い切って見せたことは無い(と思う。)

そしてその世界観の違いを音で表現してもいるのだ。
(1番は通常のバンドサウンドで、2番からストリングスが入り、最後にひとつになる。)


この曲は最後にまた僕と君の視点に戻ってきて、
"いつの間にやらまた笑って暮らしてる"
"許し合う力も持って産まれてる"
"それが人間の良いとこ"
と両方の対立を同じレベルに落とし込んで結んでいる。


4分14分でこれだけのメッセージを込めて
素晴らしいポップミュージックに仕上げてしまう
桜井の才能は凄いし、この曲は凄い。


僕の発見だ。