先週の金曜日、白内障の手術を受け、その経過は今のところ順調だ。
乱視があるので単焦点レンズ、近視度数にしてもらったはずなのに、今のところ遠くも近くも普通にピントが合っている。
明日、術後1週間後の検診を受け、異状がないか確認してもらう予定だ。

今日は、白内障の手術の体験を書こう。

日帰りの白内障手術の場合、上半身のみを術衣に着替える。
そのため、着替えやすいように前開きの服を着てくるように指定された。
手術の申し込みは私が一番最後のほうだった(受付順)のだが、手術の順番は一番最初だった。
角膜移植の時もそうだった記憶があるのだが、何か理由があるのかはわからない。

術衣に着替えたあと、看護師さんが心電図計の電極を貼り付け、血圧も測定する。
手術を受ける方の目に、合計3回、瞳孔を散大させる目薬・点眼麻酔薬が投与される。
これらの術前準備におよそ20分程度の時間がかかった。

瞳孔が散大し、点眼麻酔が効き始めた頃に主治医の準備も整い、手術室に呼ばれる。

中に入り、左手人差し指に血圧測定計がつけられ、顔を消毒され、手術椅子が倒される。
角膜移植の時の手術台とは違い、例えて言うなら・・・歯医者さんの椅子みたいな感じだろうか。
(とはいえ、私は虫歯になったことがない。歯医者には未だにお世話になったことがなく、想像で書いているのだが)
右目側に布がかぶせられ、左目を開眼器で開かれ、顔の左側には何かの保護のためか透明のシールが貼られる。

主治医から「移植の時と違って時間も短く済むし、目を動かせなくなるような麻酔かけてないから。目を動かさないよう、真上の明かり見ていて。顔動かしたりしないように気をつけてね」と注意をうける。
「は~い」と素直に返事をする。球後麻酔はもう勘弁、というのが本音なので、点眼麻酔で短時間で済むのはありがたい。

素直に真上の明かりを見るのだが、水晶体が白濁している状態なので何か緑色のモノが光っている・・・?くらいにしかわからない。
そのうち、主治医が「痛い?」と聞いてきたので「いえ、大丈夫」と答えた。この時、ダイヤモンドメスで目を切開されたのだろう。

一所懸命私が緑色のヒカリモノを睨んでいる間、主治医が器具を使い、白濁した水晶体を超音波で砕き、吸引する作業を続けている。
するとそのうち、真上の緑色のヒカリモノが、四角い緑色のライトだとはっきりわかり、同時に左目の視界の中に、まるい透明な輪郭が現れる瞬間が訪れた。
白内障の手術は、白濁した水晶体を超音波で砕く際に、水晶体が入っている袋の前の部分も同時に砕く。
しかし、後ろの部分と水晶体が入っている袋を固定しているチン小帯は残し、残したそれらを利用して眼内レンズを目の中に固定するのだ。

もしかしてこのまるい透明な輪郭は水晶体の入っていた袋の後ろの部分だろうか・・・とぼんやり考えていると、主治医から「あと少しで終わるからね」と声がかかる。

そして、手術終了。その間、わずか10分足らず。実際には5分程度だったような気さえする。
眼帯をする前に真上を見上げると、手術前に右目を布で覆われた時には見えなかった空調の吹き出し口がはっきりと見えた。
主治医に「キレイに見えるよ」と伝えると「まだレンズ開ききってないよ」と言われたので、やはりあのまるい透明な輪郭は水晶体が入っていた袋だったのかも、と思う。

その後、翌日の診察に必ず来るように言われ、眼科近くのホテルに1泊。
角膜移植手術後、麻酔が切れたあとあまりの痛さに食べたものをほとんど戻したので、用心して夕食は軽めに済ませておいた。

しかし。
麻酔が切れたと思われる頃に特に激しい痛みに襲われることもなく、平穏に夜は過ぎていく。
移植と違い、切開創もわずかに3ミリ程度。
そんなに激しく痛むものでもないのかもしれない。