あまりの仕事の忙しさ(夜10時過ぎまで働くのはよくあった)と同僚の無理解に直面していたが、なんとか勤務を続け、退院から約半年が経過した。
約3ヶ月で週1回から2週間に1回に頻度の減った定期検査は、半年後には月1回に落ち着いた。

結局、左目には主治医が予想していたとおり近視が残ったが、それでも裸眼で0.5見えるようになった。
右目は裸眼で1・0見えているので、メガネもコンタクトも使わない、小学校2年以来の裸眼生活を送り始めた。
ラクでいい感じ。

ただ、同僚の無理解と勤務のハードさに、身体と精神が同時に悲鳴をあげ始めていた。
当分、月1回平日に定期検査に通うことを考えると、今の勤務先で仕事を続けるのはムリが出てきたな・・・と思い始めた。
とかく女性の多い職場はムズかしい。
年収と同じくらいの貯金が溜まったのをきっかけに、私は外資系の勤務先を退職することにした。
有給も1ヶ月近い日数が残っていたので、その分全部消化させていただいた。

しばらくは家で身体を休め、平日に休みを取りやすい勤務先を探して転職するつもりだったが、この機会に運転免許を取りに行こう、と思い立つ。

自宅から歩いていけるところに自動車学校があったので、有給消化期間中にそこに出向き、入校手続きをとった。
視力検査で左目が0.7見えていないことが問題になるかな・・・と思ったのだが、右目が1.0あり、視野も120度あるので問題ない、との判断だった。

左目だけ度の弱いコンタクトを入れて右目の視力に合わせたほうがいいのかなぁ・・・と思いつつ、初めての教習を受ける。
今度の定期検査の時に主治医に相談してみよう。

これから、毎日歩いてここに運転免許取得のために通う。
角膜移植を受けていない頃には、まったく考えられなかったことをしている・・・。
改めて、移植を受けられたことを、それが成功したことに感謝したのだった。