入院5日目の朝。

6時に検温で起こされ、日課である鏡を覗き込む。
手術翌日に比べればネバネバとした黄色い目やには随分減ってきた。
開眼器でついた青痣もすっかり薄くなり、目立たなくなってきている。

7時に朝食。
看護師さんから、「今日、予定通り退院できるか検査するので、午後眼科の外来診察室の方に行ってね」と伝えられる。
手術直後は真っ白だった視界も、右目を隠しても新聞の活字が追えるようになってきたのを考えると、退院も予定通りできるだろうな、と思いつつ、朝食後自宅に看護師さんからこういう話があったで、と連絡する。

洗濯カードを握り締め、洗濯を午前中に済ませておき、午後の診察に臨む。

移植した角膜の状態・縫合した傷口の状態などをくまなく調べ、視力検査を行った。
移植前は0.04だった視力が、0.2くらいまで裸眼で見えるようになっている。

主治医から「傷口もキレイにふさがってきているし、移植した角膜のむくみも順調に収まってきているよ。予定通り退院できるね。傷口が安定して完全にむくみが取れるのに時間がかかるけれど、最終的には近視が少し残るくらいの視力に落ち着くだろうと思う。視力が安定した時点で、移植した左目にさらにLASIKをするかどうか考えようか。」と話があった。

さらに、主治医の話は続く。
「角膜移植も臓器移植だから、移植手術の成否はこれからの術後管理によって左右されるので、退院後も定期検査は欠かさないように。あと、少しでもヘンだ、と思ったらすぐに受診するように。」と言い渡される。

定期検査は退院直後は1週間に1回。その後、傷口が安定するにつれ回数が減らされていく。
1週間に1回が2週間に1回になり、1ヶ月に1回になり、3ヶ月に1回と回数が減っていき、最終的には半年に1回(最低でも1年に1回)になる。

このブログに、「角膜移植 術後管理いつまで」という検索ワードでたどり着いて読んでくださった方がいらしたようだ。
角膜移植も臓器移植である以上、術後管理は一生続く。
術後何年かしたらおしまい、というものではないのである。

受けた移植手術が成功なのか否か、というのは退院後の私の自己管理にその成否の多くがかかってくる。
気持ちを引き締めて病室に戻り、自宅に予定通り退院、と伝えた。

退院はいよいよ、明後日である。