一夜にして角膜が白濁し、左目の視力をほぼ失い、少しでもその状況を改善するための治療が始まった。
毎日、眼科に通い、細菌を死滅させるための治療を受ける。
目薬、飲み薬。
その治療の効果があったのだろう、0.04まで下がっていた左目の視力。
少しずつ角膜は透明度を取り戻し、一時期は0.9まで回復した。
このままこの透明度をキープでき、細菌が完全に死滅すれば治療から解放される・・・。
両親も私もそう信じていた。
しかし、問題が生じたのである。
まだ小学校2年生だったわたしの胸が、どんどん膨らみ始めたのだ。
飲み薬の副作用のようだった。
このままでは初潮が来てしまうかもしれない、という眼科医の判断で残念ながらその飲み薬の服用を断念せざるを得なくなった。
今の主治医が移植手術を引き受けてくれた時、「小学生のときの治療を、できる限り思い出して欲しい。どんな治療だったか」と尋ねられ、この飲み薬の話をしたのだが、主治医にもどんな薬なのか見当がつかない、とのことだった。
当時通っていた眼科でももうカルテが残っておらず、何を服用していたのかは確認ができなかった。
ただ、この薬を服用していた小学校2年生から小学校3年生の間、私はほとんど身長が伸びていない。
そのことから考えると、恐らく女性ホルモンに似た性質をこの飲み薬は持っていたのだろう。
この飲み薬の服用を断念してから、角膜はまた白濁を始めた。
膨らみ始めた胸は元に戻っていったが、それと同時に一時期0.9まで回復した視力も、あっという間に0.04に逆戻りした。
通っていた開業眼科医から「わたしのところでできる治療には限界がありますので・・・大学病院に紹介状を書きますから、受診してください。」と言われたのは、秋になろうかという頃だった。
こうして、私は生まれて初めて大学病院に行くことになったのである。
毎日、眼科に通い、細菌を死滅させるための治療を受ける。
目薬、飲み薬。
その治療の効果があったのだろう、0.04まで下がっていた左目の視力。
少しずつ角膜は透明度を取り戻し、一時期は0.9まで回復した。
このままこの透明度をキープでき、細菌が完全に死滅すれば治療から解放される・・・。
両親も私もそう信じていた。
しかし、問題が生じたのである。
まだ小学校2年生だったわたしの胸が、どんどん膨らみ始めたのだ。
飲み薬の副作用のようだった。
このままでは初潮が来てしまうかもしれない、という眼科医の判断で残念ながらその飲み薬の服用を断念せざるを得なくなった。
今の主治医が移植手術を引き受けてくれた時、「小学生のときの治療を、できる限り思い出して欲しい。どんな治療だったか」と尋ねられ、この飲み薬の話をしたのだが、主治医にもどんな薬なのか見当がつかない、とのことだった。
当時通っていた眼科でももうカルテが残っておらず、何を服用していたのかは確認ができなかった。
ただ、この薬を服用していた小学校2年生から小学校3年生の間、私はほとんど身長が伸びていない。
そのことから考えると、恐らく女性ホルモンに似た性質をこの飲み薬は持っていたのだろう。
この飲み薬の服用を断念してから、角膜はまた白濁を始めた。
膨らみ始めた胸は元に戻っていったが、それと同時に一時期0.9まで回復した視力も、あっという間に0.04に逆戻りした。
通っていた開業眼科医から「わたしのところでできる治療には限界がありますので・・・大学病院に紹介状を書きますから、受診してください。」と言われたのは、秋になろうかという頃だった。
こうして、私は生まれて初めて大学病院に行くことになったのである。