「半沢直樹」の演技でイッキに注目度が高まり・・・。
国民的俳優、なんて言われるようになった堺雅人。
高校から演劇を始め、大学の頃は「早稲田のプリンス」なんて言われてた。
このヒトの演技はカメレオン、と言いたくなる。
与えられた役に擬態し、作品世界にひっそり棲息しているような演技。
エッセー集「文・堺雅人」で「え、あの作品出てましたっけ?」と言われると・・・。
してやったり、とニンマリしてた、というエピソードを披露している。
確かに・・・以前の出演作を見ると「え?出てたっけ?」と思うこともしばしば。
今日のネタは、そんな堺雅人が・・・。
擬態演技を超えた、鬼気迫る演技を見せている映画「壁男」。
2007年j公開、諸星大二郎原作、早川渉監督。

札幌のテレビ局でレポーターを務める響子。
ある日、「壁男を知っていますか?」という投書を受け取る。
響子は、壁の中に潜んでいるという壁男の取材を始める。
番組で取り上げると、大変な反響があり、壁男の噂は瞬く間に全国に広がる。
そんな中、響子の恋人で、カメラマンの仁科(坂雅人)。
壁男に異常に興味を持つようになり、壁の写真ばかりを撮るようになってしまう。
響子の心配をよそに、どんどん壁男にのめり込んでいく仁科。
ついに、壁男との交信を考え始めるようになり・・・。
そうこうするうち、響子の周辺に不気味な出来事が頻発するようになる。
そして・・・。
仁科と連絡が付かなくなてしまう。
不安になった響子は、仁科の部屋に向かうが・・・。
そこで見たのは、壁に頭を突っ込んで、血を流して倒れている仁科の姿。
仁科に取りすがった響子。
その時、仁科が壁男と更新するため、壁に取り付けた鈴と文字盤の鈴が鳴り始め・・・。
響子が文字を追うと「ニシナハシンダ」と、鈴が告げる。
その後、あれほど騒がれた壁男の噂はぱたっと止む。
しかし、壁男を追い続ける響子。
以前、番組に出演したヒトから壁男についての情報がある、と連絡が入り・・・。
響子は会うことにしたのだが・・・。

諸星大二郎の漫画原作なので、結末もなかなかシュール・・・な映画。
はっきり好みが分かれる、と思う。

この映画はいわゆる「順撮り」で撮影された。
通常、セットを効率よく使うため、映画やドラマは同じセットを使うシーンを・・・。
まとめて撮影することが多い。
しかし、この映画の撮影は順撮り。
脚本の最初から順を追って撮影する方法が撮られた。
そして・・・。
堺雅人は、この映画の撮影中、インフルエンザで高熱を出してしまった。
その高熱でフラフラとした状態の中で、壁男に異常にのめり込んでいく様を撮影。
彼の元々の演技力に、その高熱が重なり・・・鬼気迫る演技が出現。

堺雅人の、鬼気迫る不気味なのめり込みっぷり、観てみたい方はゼヒ。
壁男 [DVD]/堺雅人,小野真弓
¥3,990
Amazon.co.jp