平成23年秋から嫌な予感がしていた。
いや、五月の帰省時に既に感じていた。
帰省するたびに体調がおかしくなった。

7年前からほぼ寝たきりとなった父、3年前から胃ろうで、施設のショートステイ
を転々としていたが、とうとう胃ろうから栄養を入れても逆流しだして誤嚥性肺炎を
繰り返すようになった。去年9月に入院した病院では今後、呼吸状態が悪くなった時
人工呼吸を希望するか否かはっきりするようにと呼び出しがかかると姉がヒステリックに
電話してくる。
もう今の状態で人工呼吸をすると植物状態か気管切開されて、施設では対応してもらず
在宅で介護しなくてはいけなくなるとの説明だった。
母はそれでも人工呼吸をと言うが、私はそれは父がかわいそうだから抗生剤でダメなら
諦めようと説得した。
主治医も満足いく返事をもらったからか、「急変時は最期まで診ます。」と。

しかし、3ヶ月後また誤嚥し、低酸素状態に。
急変時診ると約束してくれた病院に救急車で運ばれるも、休日だったので当直医に
「人工呼吸を家族が望んでいないような人を救急車で運んで来るとは何事か!?
病院では何もする事が無い、すぐに施設に連れて帰れ!帰りに亡くなるだろうけど。」
と、検査もされずに門前払いをされた。
施設職員は前回入院の主治医の言葉を伝えたが「そんなことは聞いてない。」と。
救急隊員からも施設職員は「家族が延命を望んでいない人を救急要請したのか!」と
怒鳴られたと。
家族はみんな素人以下。
医師が人工呼吸をしないなら何も出来ないと言えばそうなのかと信じて、「そうですか。」
と納得したかのような返事をするしかなく、後でおかしな医師にだまされたと知らされ、
父に申し訳なく情けない切ない思いで、施設で最期まで看てもらうことにした。
それでも、父はその後2週間がんばってくれた。
あの医師の言う通り施設への帰りに最期だったら、悔やみきれない思いが残っただろう。
なんとか平均寿命まで頑張ってくれてありがとう。
お父さん。