赤目四十八滝を満喫した私たちは、駐車場やレストハウスのある入口付近へ戻ってきました。
残念ながら写真を撮り忘れたのですが、登山口付近にある「へこきまんじゅう」という下品な名前のお饅頭が大変美味しく、
あまりの美味しさにテンションが上がって小躍りしました。
サツマイモを混ぜ込んだ生地に、洋風和風のクリームが挟んであって、甘さとやわらかな食感が絶妙のバランス。
サツマイモから来ているのでしょうけど、名前がもっとよかったら、口にする人も増えるのに…。

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そんなことを思いながら車を停めた土産物屋さんへ戻ってきました。
お土産を物色していると、観光地に似つかないこんなものが。

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犬や猫の里親募集チラシ。
そういえば…。
私たちが到着した時、一緒に入ってきたもう一台の車のことを思い出しました。
車からキャットフードを抱えたおばさまがこのレストハウスへ入っていったこと、
観光客に一匹の猫が愛想をふりまいていたことも。
よく見ると、店の奥にフードボウルがいくつか見えます。

勇気を出してキャットフードを抱えていたおばさまに話を聞いてみると、こちらのレストハウスのオーナーご夫婦が赤目四十八滝に棄てられた犬や猫たちのお世話をしてらっしゃるそうです。

わざわざなぜ赤目まで棄てにくるのか?
と思うのですが、前回の記事で書いた赤目四十八滝の終着点「出合い」は車の通れる大きめの道路に面していて、棄てやすいのだろうとのこと。
実際に棄てられていた時の写真を見せてもらいました。

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子犬たちの不安そうな顔!
この三匹はオーナーご夫婦が保護し、無事あたたかい家庭へ迎えてもらったそうです。

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ボロボロのシャム系猫サム君(写真下)も、オーナーご夫婦に抱かれ幸せあふれる様子が伝わってきます(写真上)。
そして…。

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サム君と鼻で挨拶してるこの写真の犬、本来どんな姿なのか分かりますか?

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忠犬ハチ公さながらの秋田犬。
この犬はダニによる疥癬(かいせん)に侵されていたところをオーナーご夫婦に保護され、以前の姿を取り戻すことが出来たのだそうです。
疥癬は野生動物のタヌキなどがかかる皮膚病です。
どれだけ長い間…赤目を彷徨っていたのだろう…。

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不安で孤独に赤目を彷徨い、
それでも人間を信じて、優しいオーナーご夫婦に出会ったのでしょう。

犬や猫を山に棄てる…
保健所へ連れて行くことはペットの死を意味し、許し難い行為ではありますが、さらに無責任な人たちがいます。
見て見ぬ振り出来ない、優しい人たちに甘えて、自分でやったことの責任も取れない勝手で傲慢な人たち。
棄てたあとの彼らの余生を、安直に考えた結果生まれた悲劇です。

私は最後に美しい赤目の、もう一つの悲しい顔を見た気がしました。