「フランスでは『国宝』に」あまりお客さんが入らないのね。『ぼくのお日さま』よりも少ないのよ。」と知り合いに言われた。

 

どうして『ぼくのお日さま』を引き合いに出したかを訊ねると、他の日本映画として何となく思いついたのがそれだったから、というお返事で、特に意味はないようだったけれど、もしかすると個人的に好きな作品で、それが日本で大当たりの作品よりもちょっぴり多くの観客を惹きつけたことが嬉しかったのかもしれない。

 

『国宝』が『ぼくのお日さま』よりも当たらない、ということは、『ぼくのお日さま』は『国宝』よりも当たった、ということでもある。調べてみると、フランスでは2024年12月25日から公開された『ぼくのお日さま』は、一月後の1月29日までの観客の数が、76,005人。

 

2025年12年24日に封切りとなった『国宝』の観客動員数は、一月後の2026年1月28日までで65,959人だから、なるほど『ぼくのお日さま』より少ない。

 

『ぼくのお日さま』については、このあと、2025年2月25日までの観客数が78,533人、という数字も出ているけれど、『国宝』の観客数をあと一月待ってから比べ直すことには意味が無いと思う。フランスでは観客動員数において、『ぼくのお日さま』が『国宝』に勝ってしまったのだ。

 

圧倒的に多数の日本人と同様に、実は私も『国宝』は見たけれど『ぼくのお日さま』は見ていない。でも、奥山大史監督の作品として、前作の『僕はイエス様が嫌い』は鑑賞済みだ。家庭の事情で東京から北海道の田舎に引っ越して来た男の子が、近所だからという理由でキリスト教の小学校に編入する。それまでは縁のなかったイエス様に、お祈りをしてお小遣いが欲しいと頼むとお小遣いが手に入る。友達が欲しいですと祈れば友達ができ、わーい、イエス様大好き!だったはずなのに…という話だ。

 

フランス国営ラジオの批評番組でこの作品が取り上げられたのもたまたま耳にしたけれど、好意的に受け入れられていて、女性の批評家が「将来の期待できる若手の監督だわ。」と言い切る一方で、司会の男性は、日本にキリスト教徒のコミュニティが存在するということに驚き、ひたすら感じ入っていたものだ。