貧乏と精神 | Dans la rideau craimoisi
本を読み、文章を書く必要性を感じた。
それも切実な、祈るような、もがくような焦り。

貧しさとは罪なものだ。
人間の精神まで腐らせる。
今日、私は渋谷東急の古本市に行った。
しかし、私は興味津津を装って、心に堅くガードを貼って二時間かけて通り過ぎたのだ。

私は、本を買う金がなかった。
というか生活費すら借金で賄っていた。

働けば働くほど生活は苦しくなっていくのだ。
私が相手にしている客と自分のあまりの立場の違いに唖然とするのだ。
本物の絵どころか、画集さえ買えないみじめさ。
興味を持つことすら許されないむなしさ。

コーヒー一杯飲みに、喫茶店にすら入れない。
入社三年目で手取り18万円という屈辱。不条理。
人として最低限の生活を営む給料も出さないクソ会社。
何が東証一部だ、何が日本一の百貨店だ。

そして、貧乏は私を卑屈にし、
知的好奇心を遠ざけ、
作り笑いと、薄っぺらな相槌で話を聞く一人のスーツを着た薄気味悪い人形へと私を変えていくのだ。

本を読まないからだ。そして書かないからだ。
思想がなく、話に迫力がない。ドラマがない。意思がない。

私は転職して貧乏を脱する。
いや、貧乏であっていい。心を失いたくない。