インファナル・アフェアの監督・脚本、トニー・レオンとアンディ・ラウが20年ぶりに共演した映画、『ゴールドフィンガー巨大金融詐欺事件』を見てきました。
このタイトル副題がどうしたものか。
原題は「金手指」。映画の雰囲気を考えると、『ザ・ゴールドフィンガー』だけで良かったんじゃないかと思うのですが、まあ事情があるのでしょう。
変換前の香港で、株価操作と株を担保にしたレバレッジで大儲けする詐欺師と、それを執拗に追い続ける香港の特殊警察のストーリー。
インファナルアフェア金融編といったところだが、
トニーレオンとアンディラウがインファナルとは追う者と追われる者の立場が逆の役所です。
見ていて思ったのが、スコセッシ監督のデカプリオ主演、『ウルフ・オブ・ニューヨーク』というウォール街の詐欺師の映画(2013年)がベースなんじゃないかと感じるほど雰囲気が似ている。
どちらも古き良き時代のグラマラスな街とそこに渦めくお金と欲望、そして時代の変化を描いている。
1997年に返還される前の香港。
当時20代の私の目には、とても輝いていた。今思えば、その裏には、この映画のような金融バブルがあったのだろう。
そして、最後に主人公の刑期が3年というところまで同じだ。
「インファナルアフェア」のリメイク作品「デパーテッド」(これもデカプリオ主演)で、スコセッシが念願のオスカーを手にしたのだが、どちらの監督も好きな私としては、この二人の監督の根底にあるものが共通していると感じてしまう。そう思う方多いのではないだろうか。
ただ、このデパーテッド、かなり忠実にインファナルアフェアを再現しているが、元の映画を知っている人にとっては、そしてスコセッシを愛する者としては、少し残念な映画だった。圧倒的にインファナルアフェアの方が素晴らしいと思う人は多いはず。
最後に特筆すべきは、主演の二人が60代とは思えない若々しさなのだ。20年の時を超えて、惚れ直す❤️🩹
格好の良い男とは、こういうものなのだなと、しみじみ思う。
女性献上や残忍な場面もあり、香港マフィア感も健在なので、好みは分かれるだろうが、ぜひこの機会に見ておく価値はある作品だと思う。