小児病棟では、親の付き添いは不可欠です。

今のように完全看護ではなく、

朝晩の検温、点滴、医師の診察の時以外の子供の世話は親任せでした。

 

しかし、その時NOCOには1歳になる妹がいました。

これまた、小さい子は病院に連れてくるだけならOKですが

1歳児を連れての看護は現実的でないのも事実でした。

 

そのため、NOCOは、入院したその日から付き添い無し。

2日に1度NOCO父が夜消灯前に1分ほど

「どうだ?」

と立ち寄るだけでした。

 

これまでの記事を読んでいる方にはうっすらわかると思いますが

NOCO父は「父性」はあまりないタイプ。

 

 

 

 

 

頭はいいのですが、自分のための人生を歩いている人で

NOCOはその入院のときまでにNOCO父と雑談をしたり、

お膝に座ったり、抱っこしてもらったりという経験がほぼない状況でした。

 

普段は忙しくていないNOCO父。

たまにいるときには怒られないように緊張して小さくなって

存在を気づかれないようにしていた相手なのです。

 

毎日「どうだ?」と言われても何も話せません。

そして、NOCO父もまともに子供と向き合ったことがないので

NOCOからの返事がなければ、それをどうしていいかわかりません。

結果、

「じゃあまた明日これたら来るから」

といって、帰っていきます。

 

たまに、「お母さんに頼まれたから」

と言って本を数冊置いて行ってくれたりはしました。

 

NOCO父としては精いっぱいだったのかもしれません。

・・・・がNOCOにとっては、それよりも死ぬほど退屈な昼間に

周りはみんなお母さんが必死になって子供の相手をしているのに

NOCOにはお見舞いに来てくれる友人も、心配して顔を見に来る家族もいなかったのです。

たまに担任の先生が、「今日やったのよ」と、テストを持ってきてくれるのが唯一のお見舞いでした。

 

肝臓病の入院は、基本安静で点滴、数時間だけ自由時間(ベッドの上で)

なので、日がな一日読書をして過ごすのですが、

もう暇で暇で・・・

たった1ヶ月の入院でしたが、数か月にも感じるそんな日々でした。

 

そして、見舞いに来ない母への不信がどんどんと募っていくのでした。

(一応全く来ないわけではなく、週に1回本を持ってきて20分ほど滞在してくれました)