私は走った。


夜中仕事から帰ってきた
母を一目見たくて
こっそり母の部屋を覗いた。

母を起こさないように
迷惑を掛けないように

だけど起こしてしまった。


私、母の眠りを邪魔した…

ごめんなさい。
ごめんなさい。

そう思いながら走って
靴も履かずに裸足で
外に出た。

死ななきゃ…

屋上に向かって全力で走った。

屋上に着くと冷たいコンクリートの
地面に横になった。


夜空を見上げ先に
逝ってしまった彼を
星の中から探す。


いないか…
  『じぞーさんの小説論』


小説は作者の中ですでに答えが出ている。

だけどそれは文章にしない。
表に出さない。

答えを聞けばつじつまが合う。

だけどそれはただの推理小説だ。


僕が書きたいのは
「小説」なんだ。

僕はよく小説を絵画にたとえる。

絵画の説明文から読む人がいるけど
それは間違いだ。

絵画を見て何かを感じて
それでいい。

説明文は後で読めばいいし
説明自体なくてもいい。
それは作品ではないから。

小説も同じだ。

説明はいらない。
それは作品じゃないからだ。

読んで何か感じることが出来れば
それで成功なんだ。


これが『じぞーさんの小説論』
 

 猫が鳴いた。

 日差しがまぶしい。

そこは青い世界で
 始まりの場所なのだ。


猫が鳴いた。


 あの場所に行こう。

そこは青い世界で
 再生の場所なのだ。

   猫が鳴いた。

雨が降りそうだ。

 そこは青い世界で
憂いの場所なのだ。

 猫は黙る。

青い世界は始まりの場所で
 偽りの場所なのだ。

青い世界は赤い世界の前に立つ。


 猫が鳴いた。

  『青い月曜日が始まる』

それを赤い世界が告げるのだ。

 青い月曜日。