株を買う


外貨を買う


金を買う




世の中投資商品は多いけれど、何を根拠に私たちは投資をしなければならないのでしょう?



「それって儲かるんですか?」


「お金を預けて大丈夫なんですか?」


「損しないんですか?」




私は義父が経営する金型メーカーに20代から30代半ばまで勤めていました。


金型といえば、産業の米とも呼ばれ日本の製造業の要ともいえる花形産業・・・。日本のものづくりの代表のひとつともいえるでしょう。


若い社員が図面を見ながら難しそうな数字をインプットして大きな機械を操る


熟練の社員がひとつひとつ丁寧に、しかも手作業でミクロ単位の仕上げをしていく


鏡のようにピカピカに磨きあげられた金型が世界へ出荷されそれが自動車の部品になったりしながら世の中に役だっている



そんな風に自分の仕事を誇らしく感じていたものでした。



優れた技術は目で確認することも、手で触って確かめることも、使って実感することもできます。


本当の価値って、こんなものなのではと思っていましたから、人から預ったお金を右から左に移しさやをとる投資(実際にそれは投資ではなく投機であるのだ、ということを後に知りました)はなんら必要なものとも感じていませんでした。



真面目にしっかり社会のために働いていればいいんだと。



1990年から94年にアメリカのオハイオ州立大学(OSU)でビジネスを専攻した時、日本の技術力がいかに強いかを(ジャパン アズ ナンバーワン とか カイゼン などという言葉がはやっていたころです)授業でも習ってきたので、会社が世の中に貢献しもうかることは社員の暮らしを守ることでもあり、それが成功の構図など思っていたのですね・・・



でもいくらひとりひとりが一生懸命自分のポジションで頑張っていてもそれだけではダメなんだということにだんだん気がついてきました。


バブル崩壊後の長引く不況・・・いくら技術力があって本物の価値を生み出せる力があっても、「経済」というもっと大きなものが力強く存在しなければその力を発揮することさえできなくなるんです。


どうしてだろう?


頑張っているのになぜ豊かさを実感できないんだろう?


なにがいけないんだろう?



残念なことに義父の会社もリストラを断行せざるを得なくなりましたし、私自身も会社を辞めることになったのが200年から2001年ころの出来事です。