たとえば外貨で運用する外貨預金ですが、銀行では米ドル、ユーロ、豪ドル、ニュージーランドなどの通貨がよく宣伝されています。
セールストークとしては、「日本の定期より金利がいいですよ」
その言葉にウソはないのですが、金融危機後各国が政策として金利を引き下げましたからその魅力はだいぶ薄まりました。
といっても豪ドルでは2%台の金利の銀行もまだまだあります(ソニー銀行や、SBIネット銀行など)
昨日も言いましたが、外貨での運用は円高で買って円安で売りその差額を利益にします。1ドル○○円という○○の数字が小さい方が円の購買力が強い、円高っていうのでしたよね。
たとえば外貨定期預金、ほとんどの方がこんなきっかけで始めます
「金利が高い豪ドルオススメですよ~」とか、「今円高ですから、お始めどきですよ~」とか
まず外貨預金の金利はその外貨につきます。つまり為替のレートに従い手持ちの円を1000豪ドルに換えると
その1000ドルに対して2%の金利が付きます。だから1年後に1020ドルになりそこから20%税金が引かれて手取りで1016ドルになるわけです。
↑悪くはないですね。
でも一番の問題は外貨定期預金は、始めると満期まで原則解約できないということ
ここに過去の豪ドルチャート があります。このグラフの場合、ぎざぎざがしたの方にある時に豪ドルの外貨定期預金をはじめ、ぎざぎざが上になったときに満期を迎えるように設定できるといいわけです。
1年間のチャートを見ると、昨年6月に半年満期の豪ドル定期を始めた人はどうなるでしょう
1豪ドル=98円ですから1000ドルに換えるには円のもとでは98000円です。満期のレートは?
そうでうね、63円というところでしょうか?
1000ドルの豪ドルは半年で1008ドルに成長していますがこれを円に戻すと・・・63,504円です。いきなり34,496円35%以上損をしていることになります。
唖然としているあなたに銀行の窓口はこう言います。
「円安になるまで、そのまま定期を継続されたらいかがですか?」
また半年後
1060ドルは1,068ドルになりました。さあ、為替は?
1ドル=77円
円に戻すと82,272円・・・まだ元本割れじゃないですか・・・
「では、もう少しご継続を」となり、はたして銀行の外貨預金は残高がどんどん増えるのです。
こうなると、もう自分のお金でありながら銀行に人質となったも同然。損を覚悟で下さない限り使いたくても使えないお金になります。
外貨預金というのは、はじめと終わりがあらかじめ指定されています。
一方為替といのは、予測ができません。予測ができないものに対し、期間をしていするというのは、非常に非効率な行為なのです。