僕は全盲で車いす。
今年も小学校が2校、中学校が1校からの
福祉講話の依頼を頂いた
ありがたいことに毎年、小学校や中学校、
時々高校からの講話依頼を頂く。
講話の当日は、社会福祉協議会の人が
毎回、車で送迎してくれる。
僕の住んでいる地域の学校には
まだまだ障がい者用トイレがある学校が少なく
障がい者用トイレがない学校での講話の時は
必ず社会福祉協議会の事務所に寄ってくれて
僕がトイレを済ませてから学校に向かうのだ。
そんなありがたい対応に、
ふと思い出したことがあった。
それは今から数年前の話。
僕は講話の依頼を頂き、
僕の母校である高校に行った。
講話の前にトイレに行きたくなった僕は
のぶ 「トイレに行きたいんですけど、どこのトイレを使えばいいですか」
と先生に聞いた。
先生 「あっ!2階に障がい者用トイレがありますよ」
と言うので、
障がい者用トイレ出来たんだと思いながら
のぶ 「じゃあエレベーターで上がればいいんですね」
と聞くと
先生 「エレベーターはないんですよね」
と・・・。
僕の頭の中は
そして
えっ、えぇーーーーーーーっ
エレベーターなくて
どうやって車いすで
2階の障がい者用トイレに
行くのーーーーーーー
となる僕なのでした
トイレを我慢することは僕にはできない
かろうじて介助があれば
何とか階段を上がれる僕は
2階の障がい者用トイレに行くために
階段を上がることになったのだった。
何とか無事にトイレは済ませられたけど
講話の前に慣れない介助での階段とその恐怖で
ぐったりの僕がそこにはいた。
それにしても、エレベーターのない校舎の2階に
何故、障がい者用トイレをつくったのだろうか
先生に聞いてもわからないと言う。
母校のミステリーである。
『福祉講話を依頼する前に、まず1階に障がい者用トイレを新たにつくるのか、はたまたエレベーターを設置するのか、先生たちよ、よ〜く考えなさい』byさち
※このお話はノンフィクションです。